• 木曜日, 5月 21st, 2009

80歳になった私がホームページを開設した理由。 [...] ここをクリックして読む

Category: 特別  | Leave a Comment
• 土曜日, 4月 16th, 2011

ウィーンのピータープラッツで、ヨムという和食レストランを探していた。トレンディなところだそうで、滞在中にお世話になった人たちを招待するのに適当だと思えたが、下見がしたかった。初秋だというのに、ダニューブ川を超えてくる風は湿っぽく肌寒く、夕闇が迫っている。なかなか見つけられないが、人通りも無く聞くことも出来ない。 [...] ここをクリックして読む

• 土曜日, 4月 16th, 2011

ビタミン剤の入った袋を受け取って薬屋を出ると、後ろから呼び止められた。
「お客さん、これね、とてもいい入浴剤でね。マグマ・マキシというんだけど。まあ、使ってみて下さい」
 小さい袋がいつか入っている透明なビニール袋を差し出しているが、薬剤師のように白衣を着たその男に見覚えは無い。薬屋で私の応対をしたのはもっと若い人だった。店の主人なのか。
「有り難う・・・」
 受け取ろうとした私の手に、その袋はふわっと飛んで来た。二、三十センチの距離でしかないが、確かに手渡された感じではない。見上げたときには男はもう雑踏にまぎれていた。 [...] ここをクリックして読む

• 火曜日, 3月 02nd, 2010

ライトアップされたミッドタウンを歩いていると…

いつもよりけたたましく感じられる電話の音で目が覚めた。まだ六時前、誰だろう。受話器を耳に寄せると、胸の奥から響くような声がした — 今日、あなたがいらっしゃるところでお会いしますから — そしてぷつんと切れた。いたずら電話だったのだろう。 [...] ここをクリックして読む

• 日曜日, 6月 14th, 2009

完全保護社会を確立したコノサンテント国での話。

十六歳の誕生日の前夜、両親はオレの足を見ながら溜め息をつき、母親は親父に言った。

「何とかなるわよねえ? 他にだってこんなのがある筈よ・・・」

 親父は黙って首を横に振っていた。 [...] ここをクリックして読む

• 日曜日, 6月 07th, 2009

鴨居玲が一九八五年、自殺する数か月前に描いた「肖像」という作品では,彼は面のような自分の顔をぶら下げて立っている。そして「顔」のあるべきところには目も鼻も口も何も描かれていない。

とにかく,気分が悪かった。仕事関係で知り合った女性四人と夕食をとり,その後,ホテルのバーにと思ったのだが,一人が或る六本木のクラブを薦めてここに来た。狭い入り口から急な階段を下りた地下にあって,それ以外の出口が無いのが,閉所恐怖症の私にはごく具合が悪い。平気だ,と自分に言い聞かせて,特ににぎやかにしたのに疲れたのか,益々、はしゃぎ気味の他の人達と対照的に気持ちが沈み,吐き気もして来た。 [...] ここをクリックして読む

• 火曜日, 6月 02nd, 2009

誰も立ち寄らない墓場の側の家に住む主人公。ある日、長いコートを着た女性が白い包みを持って訪問する。

今日も又、わたしは墓場を眺めている。数週間前に越して来たこの家は坂の途中にあり、西向きの、わたしの部屋の窓から見下ろすのは、数十の墓のある小さな墓地、だが、この墓地を管理する寺などは、あたりには全くない。墓参に訪れる人を見たことがないし、新しい塔婆が見当たらないだけ荒れた感じがするが、実はかなりきれいに保たれている。 [...] ここをクリックして読む

• 火曜日, 5月 26th, 2009

子供の才覚をいつまでも…

 あの家には妖怪が住んでいたと信じている。妖怪と言い切れるのかは分からない。十歳くらいのとき,何かの本に「魑魅魍魎妖怪」と難解な字が出ていて誰かにこれは何,と聞いた覚えがある。「ちみもうりょう」はまだ何だかわからないが,「妖怪」の方は「人知では解明出来ない現象又は物体」だそうで,これならあの家で私が出会った現象と物体にぴったりだ。 [...] ここをクリックして読む

• 木曜日, 5月 21st, 2009

通りすがりの人がドラキュラだったら…麻布十番で起きた話をここに綴る。

私は、前のテーブルの上にある皿を見詰めている。皿には、こんがりと炙ったフォアグラが無花果のコンポートと共におかれている。さっき、少し端の方を切ってみたがどうも食べる気にならない。それより、今、私は何故ここにいて、何をしているのだろうか。

 電話は昨夜かかった。深夜に近く、夜更かしの私はまだ起きていたが、普通、緊急でもなければ電話をする時間ではない。出てみると、数年間はお互いに連絡がなかった由香からで、私も彼女も大分前に会員だったクラブが主催する行事のことで話したいので、何処かで会いたいとのことだった。 [...] ここをクリックして読む

• 木曜日, 5月 21st, 2009

太平洋戦争の時代を思い出させてくれる作品。

ロビーちゃん

 あなたの日本語の先生が、おばあちゃまから戦争の頃のお話を聞きなさいとおっしゃったとのことですが、書き留めた方がよいかと思いました。

 そう、何からお話ししましょうか。千九百四十一年十二月八日、その数個月前までアメリカにいて、平和な解決に向けて努力していた日本人の一人である父が、早朝の連絡で開戦を知り、大変なことになったと蒼ざめていたところからにしましょうか。 [...] ここをクリックして読む